歯肉縁下ダイレクトボンディングを行った症例|イタガキ歯科・矯正歯科|姫路市・たつの市・赤穂市の歯医者

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症例紹介・ブログ CASE

歯肉縁下ダイレクトボンディングを行った症例

2025年12月13日 / 板垣賢治

Before

After

治療情報

症状 しみる
神経を抜きたくない、長く持つように直して欲しい。

治療方法 歯肉縁下でウ蝕が広がっていたため、歯周外科を行ったのち
ダイレクトボンディングを行いました。
費用 ダイレクトボンディング  ¥90,000
MTAセメント   ¥15,000
治療期間 2回
約1ヶ月
リスク・副作用 ダイレクトボンディング リスク
技術依存性: 歯科医師の技術力(経験・熟練度)によって仕上がりや耐久性が大きく変わります。不適切な施術は見た目や寿命に大きく影響します。
適応範囲の制限: 大きな虫歯や重度のすきっ歯、強い力がかかる部位(奥歯など)には適用できない場合があります。適用できる症例が限られます。
治療時間・費用: 1回の治療に時間がかかったり、自由診療(保険適用外)で費用がやや高めになることがあります。

※表示金額は全て税込みです。

患者様情報

年代 40代
性別 女性

治療方法

歯肉縁下ダイレクトボンディングを行った症例治療方法01
治療前の写真です。

他院でされたコンポジットレジンですが、フチの部分が黒くなっていたりと、
普段よく見かける一般的なコンポジットレジン修復の痕跡が見受けられます。

歯肉縁下ダイレクトボンディングを行った症例治療方法02
拡大して見てみると歯と歯肉の境目に齲蝕を認めます。

いわゆる普通の、保険治療でよく見かけるコンポジットレジンのその後 ですね。
治療直後はなにもトラブルが起きていませんが、数年後にトラブルが起き始める典型的な例です。
歯肉縁下ダイレクトボンディングを行った症例治療方法03
写真では分かりづらいですが、歯肉に隠れている部分に大きめのウ蝕が広がっていたので歯周外科処置を行い、視野を確保します。

レーザーで歯肉を焼き切って治療をする方法もありますが、レーザーで焼いてしまうと大きな歯肉退縮を引き起こします。

※画像はモノクロ加工しています。
歯肉縁下ダイレクトボンディングを行った症例治療方法04
歯周外科を行うことでウ蝕部分をしっかりと明示できるので、ウ蝕の取り残しをなくすことができます。

そして難易度は高いですが、その部位にラバーダムを設置します。
ラバーダムがなければ処置部位は血まみれ、唾液まみれで繊細な治療ができません。

歯肉縁下ダイレクトボンディングを行った症例治療方法05
古いコンポジットレジンを除去したところ、やはり内部でウ蝕が広がっていました。

確実な視野の確保、そして清潔な領域を守りつつ作業ができるので、ラバーダムの効果は絶大です。
歯肉縁下ダイレクトボンディングを行った症例治療方法06
ウ蝕検知液を使用して徹底的に軟化象牙質を除去していきます。
歯肉縁下ダイレクトボンディングを行った症例治療方法07
ウ蝕を取りきったところ、露髄(神経が露出)を認めました。

ちなみにこの時点で唾液が一滴でも歯髄に付着すると、歯髄温存の可能性が著しく低下します。MTAセメントで歯髄温存療法を行う際にはラバーダムは必須です。


歯肉縁下ダイレクトボンディングを行った症例治療方法08
断髄せず保存が望めそうだったため、露髄部にMTAセメントを適用しました。
歯肉縁下ダイレクトボンディングを行った症例治療方法09
その上からコンポジットレジンを充填します。
歯肉縁下ダイレクトボンディングを行った症例治療方法10
歯肉の形態を整えて縫合し、この日は一旦終了です。

後日、ほかの面のウ蝕除去を行います。
歯肉縁下ダイレクトボンディングを行った症例治療方法11
歯肉の状態が良くなったところで、ほかにウ蝕が残っていたところの治療を始めます。
歯肉縁下ダイレクトボンディングを行った症例治療方法12
隣の歯も治療を行う予定になっていたので、先に少しだけ削ります。

こうすることできれいなコンタクト部位を再現することができます。
歯肉縁下ダイレクトボンディングを行った症例治療方法13
ウ蝕を完全に除去することができました。
歯肉縁下ダイレクトボンディングを行った症例治療方法14
エッチング処理を行って、
歯肉縁下ダイレクトボンディングを行った症例治療方法15
ボンディングを塗っていきます。
歯肉縁下ダイレクトボンディングを行った症例治療方法16
コンポジットレジンを充填していきます。

裂溝部分も忠実に再現していきます。
歯肉縁下ダイレクトボンディングを行った症例治療方法17
充填直後はバリが残っているので、丁寧に研磨していきまます。
歯肉縁下ダイレクトボンディングを行った症例治療方法18
研磨が終了しました。
歯肉縁下ダイレクトボンディングを行った症例治療方法19
こちらは治療前の状態です。


歯肉の中に存在する齲蝕は治療が非常に雑になりがちで、
相当繊細な治療を行わないと、すぐに同じような状態になったり、さらに2次カリエスが深くできてしまい、結局抜歯となってしまうことが多いです。

今回は最小限の切削で非常に長期間の予後安定が期待できる治療ができました。
なるべく削りたくない、歯を残したい、神経を抜きたくない、と言う方は是非当院へお任せください。

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