抜歯したくない方へ精密根管治療を行い抜歯を回避できた症例

BEFORE

抜歯したくない方へ精密根管治療を行い抜歯を回避できた症例BEFORE

AFTER

抜歯したくない方へ精密根管治療を行い抜歯を回避できた症例BEFORE

治療情報

症状
熱いものを食べたときに違和感がある。
他院で「神経を抜かないといけない」と言われた。心配なので一度診てほしい

治療方法
神経を残したいというご希望でしたが、すでに神経は壊死しており残すべき神経は存在していませんでした。

現状では歯根尖に細菌が溜まり、歯槽骨の破壊が始まっており、このまま処置をせずに放置すると大きな顎骨壊死によって歯牙の脱落の可能性がありました。
ので
この度は精密根管治療にて、歯槽骨破壊の回復及び歯牙の感染除去を行いました。
費用
精密根管治療  ¥88,000
ファイバーコア  ¥15,000
ダイレクトボンディング  ¥40,000
CT撮影料  ¥10,000

※価格は予告なく変更されます

患者様情報

年代
30代
性別
男性

治療方法

抜歯したくない方へ精密根管治療を行い抜歯を回避できた症例治療方法01
根尖の骨が溶けてしまっており、黒く透過していることが分かります。

大きなウ蝕がなかったため歯髄壊死の原因の特定が困難でしたが、歯髄突起&咬耗が原因の有力候補と考察しました。
もしくは打撲による歯髄壊死も可能性はありそうです。しかし患者様は記憶にないとのことで…
少し珍しい状況です。
抜歯したくない方へ精密根管治療を行い抜歯を回避できた症例治療方法02
この歯は、下の前歯では少し珍しい2根管の状態でした。
(根の神経の管が通常1本しかないところ、2本に分かれているケース)

こちらは通常のX線ではなかなか見えず、CT撮影でのみ確実な確認ができます。

実はこういったケース、1本のみしか管がない場合は太い管となって治療は容易ですが、
2本あるケースでは湾曲があったり管がかなり細いことがあり、難易度は高くなります。
抜歯したくない方へ精密根管治療を行い抜歯を回避できた症例治療方法03
治療の際にはここに穴をあけます。(青色)

この位置に穴をあけるように歯学部で習います。なぜこの位置かというと裏から削ることで、審美的な問題が起きにくくするためです。
抜歯したくない方へ精密根管治療を行い抜歯を回避できた症例治療方法04
しかし落とし穴があって、真上からアクセス出来ないがためにこのように斜めに器具を入れる必要があります。
抜歯したくない方へ精密根管治療を行い抜歯を回避できた症例治療方法05
そうすると、青い方だけ洗浄が行われ、かなりの高確率で赤い部分の治療が完了しません。
CTとマイクロスコープがなければ見つけることは非常に困難でしょう。
CTやマイクロスコープを使っていたとしても見つけられない場合もあるでしょうし、治療の難易度が高いので見つけられたとしても対応できないこともあると思います。(先端まで到達できない、ファイルが途中で折れるなど)
抜歯したくない方へ精密根管治療を行い抜歯を回避できた症例治療方法06
こちらは治療終盤の写真です。
2つの根管を拡大した映像ですが、わかりにくいので下を見てください。
抜歯したくない方へ精密根管治療を行い抜歯を回避できた症例治療方法07
2つの根管はこのような形になっていて、その二つの根管の間はイスムスと呼ばれる形態でつながっていることが確認できます。
こちらの隙間に根管内の汚れが入り込むと治療の成功率は下がります。
抜歯したくない方へ精密根管治療を行い抜歯を回避できた症例治療方法08
ですのでこのように汚れを取りながら、イスムスを拡大し、2つあった根管は一つのシンプルな形になるように丁寧に形を整えます。

ちなみにこの時の根管の横幅は0.3~0.4mmです。
複雑な形をした約0.3㎜の穴の中を選択的に切削したり汚れを掻き出したりする作業です。
抜歯したくない方へ精密根管治療を行い抜歯を回避できた症例治療方法09
これは根管充填が終わって、コンポジットレジンにて封鎖を行う前の状態です。

根管充填がしっかりされていることがわかります。
(今であれば充填操作時でもラバーダムはしていますが、当時はしていませんでした。)
抜歯したくない方へ精密根管治療を行い抜歯を回避できた症例治療方法10
こちらが充填後の状態です。
抜歯したくない方へ精密根管治療を行い抜歯を回避できた症例治療方法11
これは治療前(上)と治療後(下)のCT画像になります。

無駄な切削もなく、根管治療の過不足もなく、根尖の透過像(黒い影)もなくなっており、ほぼ完全な治癒ができました。

是非他院で難しいと言われたり、何度根管治療しても治らない経験がある方は当院へご相談ください。